妖怪図鑑
河童・天狗・九尾の狐など、日本と世界の妖怪を体系的に解説
川姫とは?水辺に現れる美女妖怪の正体と伝承
川姫(かわひめ)は、川や水辺に現れる若く美しい女性の姿をした妖怪で、その美貌に見入った男の精気を吸い取ると伝えられます。高知県高岡郡、福岡県筑上郡、大分県中津地方に伝承が残り、村上健司妖怪事典や千葉幹夫全国妖怪事典にも収録されるように、出典のある妖怪として語られてきました。
磯撫でとは|西日本の海に潜む怪魚の伝承と正体
磯撫では、肥前松浦をはじめ西日本近海に伝わる怪魚で、サメに似た姿に尾びれの細かな針を備え、北風の強い冬の海にだけ現れると語られてきました。江戸後期の奇談集絵本百物語に収められた伝承で、本文は桃山人、挿絵は竹原春泉斎による多色刷りの百物語本です。
雪入道とは|一つ目一本足の正体と伝承
雪入道は、富山県上新川郡や飛騨、岡山に伝わる雪の妖怪で、一つ目・一本足の大入道として語られてきた存在です。雪女の男版のように見えても、実際には別系統の妖怪で、雪の降った翌朝に雪原へ片足の足跡だけを残して消えるという不気味な像が核になっています。
氷柱女(つらら女)とは|伝承と正体
氷柱女(つらら女)は、東北地方や新潟県などの豪雪地帯に伝わる民話の妖怪で、軒先の氷柱を見た独身の男が「このつららのように美しい妻が欲しい」と嘆いたことに応えて現れる美女として語られます。正体は氷柱の化身であり、雪を化身とする雪女と素材の上で対をなす存在です。
かぐや姫とは|伝承と正体を解説
かぐや姫とは、平安時代前期に成立した現存最古の物語竹取物語のヒロインであり、竹の中から見つかった三寸ほどの少女として登場します。やがて一人前の娘に育ち、正体は月の都の住人で、罪を償うために一時的に地上へ降ろされた存在だと読めるところに、この物語の核心があります。
あまめはぎとは|能登の来訪神の伝承と正体
あまめはぎは、囲炉裏や火鉢に長くあたってできる火だこ「アマメ」を剥ぐ妖怪であり、同時に石川県能登地方で家々を回って怠惰を戒める来訪神行事「能登のアマメハギ」でもあります。
橋姫とは|伝承と正体・嫉妬の鬼になった姫
橋姫は、宇治橋の袂に祀られてきた橋の守り神であると同時に、嫉妬のあまり鬼へ変じた鬼女としても語られる存在です。宇治橋西詰の橋姫神社に立つと、縣神社の大鳥居脇にひっそり鎮座する小さな社が、縁切り祈願の場として今も人を引き寄せる理由がよくわかります。
古戦場火とは|戦場に灯る怪火の伝承と正体
古戦場火は、多くの人が死んだ戦場跡に無数の鬼火として現れる日本の怪火である。鳥山石燕が1779年に今昔画図続百鬼で名づけたこの妖怪は、それ以前の怪談集宿直草では単に「火」と記されていた。民俗学のフィールドワークで古戦場跡を歩くと、怪火伝承が決まって大勢が死んだ土地に張りついていることが見えてきます。
蓑火とは|伝承と正体・蓑虫の火との関係
蓑火は、近江国彦根、いまの滋賀県彦根市周辺に伝わる怪火で、狐火や鬼火と同じく人の暮らしの境目に現れる火として語られてきた。旧暦五月の雨の夜、琵琶湖を舟で渡る人の蓑に、蛍の光のような火の玉が点々と灯るという話で、蓑そのものに火が宿る場面を思い浮かべると、この伝承の輪郭がすぐにつかめます。
木の葉天狗とは|伝承と正体を解説
木の葉天狗(このはてんぐ)とは、江戸時代の随筆や怪談に名が見られる天狗の一種で、別名を境鳥(さかいどり)という。鼻が高い山伏姿の一般的な天狗像とは異なり、全身が大きな鳥のように描かれるのが最大の特徴です。
川獺とは|人を化かす水辺の妖怪の正体
川獺(かわうそ)は、川や城の堀などの水辺にすむカワウソが妖怪視された動物妖怪で、狐や狸と並ぶ「化ける動物」の一つとして語られてきました。美女や子供、坊主、大坊主、大入道、生首まで姿を変え、人の声をまねて夜道の通行人をからかう、ときに食い殺すとも伝えられます。
油坊とは|灯油を盗んだ僧の怪火の正体
油坊(あぶらぼう)は、滋賀県・京都府に伝わる怪火、または亡霊の妖怪である。灯油を盗んだ僧が変化したという伝承に由来し、晩春から夏の夕暮れから夜半にかけて、橙から黄色の小さな火の玉や、油壺を抱えた僧の影として現れると語られてきました。