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妖怪図鑑

船坊主とは、海上の船に取りついて沈めると伝えられる海坊主系の妖怪で、独立した別種というより呼び名の揺れとして理解するのが自然です。民俗学の現地調査で各地の漁村に残る海の禁忌を聞き取ってきた立場から見ると、この名は海坊主、船幽霊、海入道、海法師と地続きで、

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加牟波理入道は、大晦日の夜に厠へ現れるとされる入道姿の妖怪で、用を足す人を覗いたりいたずらをしたりすると語られてきました。日常の便所に口から鳥を吐く異形が立つという石燕の図像は、まさにこの妖怪の不気味さを際立たせます。

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赤舌は、鳥山石燕の妖怪画集画図百鬼夜行に安永5年(1776年)に描かれた妖怪である。黒雲に覆われた獣のような姿で水門の上に現れるが、石燕は解説文を一切添えておらず、その沈黙こそが後世の解釈を呼び込んだ出発点になった。

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海座頭は、海の上に立つ盲人の琵琶法師として描かれる妖怪である。江戸後期の鳥山石燕が安永8年(1779年)刊の今昔画図続百鬼に示した姿が代表例で、熊本県八代市の松井文庫に伝わる百鬼夜行絵巻にも同名の図像が見える。

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トモカヅキ(共潜)は、三重県鳥羽市・志摩市を中心とする伊勢志摩沿岸に伝わる海の妖怪で、海女文化のなかで語り継がれてきた怪異です。名の「かづく」は潜って魚介を採る古語・方言で、「同一の潜水者」を意味するところに、この話の骨格がはっきり表れています。

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波小僧は、静岡県西部の遠江国、遠州灘一帯に伝わる妖怪で、遠州七不思議の一つに数えられます。子供の姿をした水妖として海鳴りで天気の変化を知らせると語られ、まず「どこの・何の妖怪か」がすぐに分かる伝承です。

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河童の妙薬とは、河童が人間に授けたとされる秘薬をめぐる伝説の総称で、特定の市販薬の名前ではありません。東北・関東・四国などに同型の話が広がり、骨接ぎや打ち身、熱傷に効く薬として語られてきました。

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川姫(かわひめ)は、川や水辺に現れる若く美しい女性の姿をした妖怪で、その美貌に見入った男の精気を吸い取ると伝えられます。高知県高岡郡、福岡県筑上郡、大分県中津地方に伝承が残り、村上健司妖怪事典や千葉幹夫全国妖怪事典にも収録されるように、出典のある妖怪として語られてきました。

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磯撫では、肥前松浦をはじめ西日本近海に伝わる怪魚で、サメに似た姿に尾びれの細かな針を備え、北風の強い冬の海にだけ現れると語られてきました。江戸後期の奇談集絵本百物語に収められた伝承で、本文は桃山人、挿絵は竹原春泉斎による多色刷りの百物語本です。

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雪入道は、富山県上新川郡や飛騨、岡山に伝わる雪の妖怪で、一つ目・一本足の大入道として語られてきた存在です。雪女の男版のように見えても、実際には別系統の妖怪で、雪の降った翌朝に雪原へ片足の足跡だけを残して消えるという不気味な像が核になっています。

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氷柱女(つらら女)は、東北地方や新潟県などの豪雪地帯に伝わる民話の妖怪で、軒先の氷柱を見た独身の男が「このつららのように美しい妻が欲しい」と嘆いたことに応えて現れる美女として語られます。正体は氷柱の化身であり、雪を化身とする雪女と素材の上で対をなす存在です。

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かぐや姫とは、平安時代前期に成立した現存最古の物語竹取物語のヒロインであり、竹の中から見つかった三寸ほどの少女として登場します。やがて一人前の娘に育ち、正体は月の都の住人で、罪を償うために一時的に地上へ降ろされた存在だと読めるところに、この物語の核心があります。