比良坂 朔

比較文化研究者・怪物伝承ライター

比較文化学を専攻し、世界各地の怪物・妖精伝承を横断的に研究。ヨーロッパの妖精学からアジアの精霊信仰まで幅広い知見で、日本の妖怪を世界の文脈に位置づけます。

世界の怪物・妖精妖怪図鑑

比較文化学を専攻。世界各地の怪物・妖精伝承を横断的に研究し、文化交流による伝承の変容に詳しい。

比良坂 朔の記事 (5)

世界の怪物・妖精

スキンウォーカーは、ナバホ族に伝わる変身する呪術師で、正式名称をイー・ナーズローシー(yee naaldlooshii)という。語義は「それを身につけ、四つ足で歩くもの」で、オオカミやコヨーテの姿を自ら選んでまとう、狼男とは異なる「堕ちた人間」の伝承だ。

世界の怪物・妖精

レプラコーンは、アイルランド民間伝承に登場する小人妖精で、20世紀に定着した緑ずくめの陽気な姿ではなく、本来は赤い上着を着た偏屈な靴職人として語られてきました。セント・パトリックス・デーの街角やゲーム作品で親しまれるイメージは、伝承の原型から見るとかなり新しい顔にすぎません。

世界の怪物・妖精

ジンとは、アラビア・イスラム圏に伝わる精霊であり、人間が土から創られる2000年以上前に「煙の出ない火」から生まれたとされる第三の被造物です。天使でも人間でもないこの位置づけは、ディズニー映画やマギ原神で親しんだ「ジーニー」のイメージとはずいぶん違います。

世界の怪物・妖精

ドッペルゲンガーとは、ドイツ語で「二重に歩く者」を意味する、自分とそっくりの分身との遭遇を指す語です。作家ジャン・パウルが1796年の小説ジーベンケースで用いたのが初出とされ、比較的新しい言葉でありながら、長く「会うと死ぬ」不吉の象徴として語り継がれてきました。

世界の怪物・妖精

獏とは、中国の古典に現れる辟邪の霊獣で、鼻は象、目は犀、尾は牛、足は虎、体は熊に似ると描かれてきた存在です。李時珍の本草綱目にもその姿が見え、古代中国では邪気や疫病を払う獣として語られていました。 ただし、現代の日本で広く知られる「悪夢を食べる獏」は、中国の伝承をもとに日本で独自に発展したものです。